ドイツと日本の電気料金を比べてみた。結果は・・

   

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一年で最も寒くて暗いこの時期になると、電力会社から年間の電気料金の請求書が送られてきます。毎月、使用量に関係なく電力会社に一定額を払っていて、これよりたくさん電気を使うと追加の請求がきて、少ないとお金が返ってきます。

 

家のポストに届いた封筒を少しドキドキしながら明けてみると、下のように書いていました。

年間使用料 986 kWh
月間平均使用量 82.2 kWH
年間電気料金 363 € (47190円*)
月間電気料金 30.3 € (3940円*)

*1€=130円で計算

 

毎月の平均電気料金は30.3ユーロ。日本円で3940円/月 でした。

自分は普段家にいる時間が短いこともあってか、少しだけお金が返ってきそうです。

太陽光や風力など、再生可能エネルギーの導入で電気料金が値上がりしたと言われるドイツ。気になったので日本の電力料金と比較してみました。

 

日本の電気代

日本の電力料金の計算には、東京電力の電気料金計算サービスを使いました。条件は下の通り。

  • 従量電灯B
  • 一ヶ月の使用量: 82kWh
  • 契約アンペア: 30A
  • 燃料費調整: -2.3円/kWh(H28年3月)
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金等: +1.58円/kWh
  • 電化厨房住宅割引: なし
  • 口座振替割引: あり

 

結果、3940円/月のドイツに対して、関東で同じ量の電気を使ったときの電気代は2322円でした。

つまり、同じ量の電気を使った場合、日本の電気代よりもドイツの方が約1.7倍高いという結果に。

年間の電気代では、一人暮らしでもドイツの方が約2万円高いということになります。ひぇー

 

[注]東京電力には燃料補正という制度があって、原油価格に応じて毎月微妙に単価が変わります。平成28年1月の-1.96円/kWhと2月の-1.73円/kWhの場合でも、月の電気代はそれぞれ2349円と2368円で、ほとんど変わりませんでした。

 

電力構成

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ちなみに、請求書には電力構成も一緒に書かれています。さすがドイツ、意識が高い。

左はSWK(カールスルーエの電力会社)の電力構成。

  • 原子力発電: 13.5%
  • 石炭火力: 39.5%
  • 天然ガス: 5.2%
  • その他化石燃料: 2.1%
  • ドイツ再生可能エネルギー法(EEG) 補助の再生可能エネルギー: 37.7%
  • その他再生可能エネルギー: 2.0%

 

右がドイツ全体の電力構成。

  • 原子力発電: 16.8%
  • 石炭火力: 45.5%
  • 天然ガス: 6.7%
  • その他化石燃料: 3.1%
  • ドイツ再生可能エネルギー法(EEG) 補助の再生可能エネルギー: 24.6%
  • その他再生可能エネルギー: 3.3%

 

再生可能エネルギーはドイツ全体で約3割、カールスルーエでは約4割が再生可能エネルギーで賄われています。ドイツの中でも、カールスルーエは特に再生可能エネルギーに積極的みたいです。日本は現在でも5%とか10%くらいなので、ドイツでは導入がかなり進んでいますね。

それと注目すべきは、石炭火力発電の高さ。ドイツでは自給も輸入もしているHard coal(無煙炭)に加え、Brown coal(褐炭)の自給率がほぼ100%なので、値段が安いこともあってガンガン石炭を燃やして発電しています。クリーンな再生可能エネルギーを推進する一方、最も低効率でCO2排出量の多い褐炭火力発電が今でも主力発電方式となっているので、「結局あんまり意味無いじゃん」とかも言われています。

 

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「ドイツの発電構成の推移」出典 Economist

 

 

あと、ドイツは2022年までの脱原発を決めているから原子力はもう使っていないと思っている人もいますが、今でも発電の15%ほどは原子力発電で賄われています。

 

 まとめ

ドイツの電気代は日本の1.7倍で、年間だと一人暮らしでも2万円くらい違います。予想していた通り、ドイツの方が電気料金は高いですね。もちろん、為替や原油価格で大きく変わると思いますが。

ちゅーす

 

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【追記】2016年版はこちら

 - Life, ドイツ