ドイツ: 職場の難民キャンプはもぬけの殻

   

dsc_9267

 

職場の旧食堂にできた仮難民キャンプについて。2015年10月に「職場に難民キャンプがやってきた 」というタイトルの記事を書いて、早いものでもう1年が経ちました。

 

以前は過剰に収容された難民やその荷物・洗濯物で建物の中がいっぱいだったのですが、通りがかった際に久しぶりに中を覗いてみると今では空っぽになっていました。この施設は難民申請した人を、滞在許可が決まるまでの間、一時的に収容する場所でした。なので、ここにいた人たちは難民の許可を得て他の場所に移ったか、もしくは申請を拒否されて帰国させられたのでしょう。

ドイツに110万人の難民が流入したと言われる2015年、数百人の難民がこの施設に送られてきました。追加でこの施設に難民が来ていないということは、以前よりも流入そのものを制限しているということでしょうか。

生活していて治安が悪くなったということはありませんが、この1年で潮目が変わったと感じます。大晦日のケルンでの集団性的暴行事件、8月のミュンヘン銃撃事件はドイツ国民を不安にさせ、メルケル政権の支持率を著しく低下させました。最近のメクレンブルク地方選やベルリン市議選でのメルケル陣営が大きく票を落とし、一方で半難民右派政党のAfDが躍進しました。メルケル首相は難民受け入れ態勢について「できることなら時計の針を何年も戻したい」と発言したとも言われています。はたして今後、ドイツはどこを向かうのでしょうか。

ちゅーす

参考: 難民対応で問題認める=「時計の針戻したい」-独首相(時事通信)

 - Life, ドイツ