台湾自転車一周8日目: 最南端を通って台東へ

   

無題

  • 墾丁~台東
  • 移動時間: 13時間5分(電池切れして最後の一時間は計測できなかった)
  • 走行距離: 144 km (実際の距離は約160km)
  • 平均速度: 11.6 km/h
  • 消費カロリー:2880 kcal

 

前回の記事: 台湾自転車一周7日目: 高雄から南国リゾートの墾丁へ 

 

朝6時、波の音と海鳥の鳴き声で目を覚ます。前日にセブンイレブンで買ったハムサンドイッチを食べ、身支度を整え、テントを片付けて出発する。この日は台東までの160 km(この一周旅行で最長距離)を移動しなければならないからだ。

 

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海岸沿いを進んでいくと、ナゾの巨大岩を発見。

 

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近づいて自転車と記念撮影。あとで調べると、この岩は船帆石という名前らしい。

陸上から落下した珊瑚礁岩が帆船の帆のように見えることから「船帆石」と呼ばれています。この付近の海はダイビングに適しているため、ダイビングの愛好家たちが多く集まります。付近はお店やPubが作られ、次第ににぎやかな場所になりつつあります。

【旅々台北】台北遊透隊「墾丁特集:夏を追え・墾丁で叫べ」より

 

 

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出発から約1時間。ついに、最南端(鵝鑾鼻、かんらんび)に到着。到着が朝早かったためか、訪問者はまばら。観光客っぽい方はほとんどおらず、地元の方々がドライブに来ているといった雰囲気だった。

 

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ここが台湾最南端(The southernmost point of Taiwan)ですと看板に書いている。

 

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この最南端でセブンイレブンの弁当を食べていると、ぞろぞろと人が集まってきた。このとき、現地のおじちゃん・おばちゃん4人組に話しかけられた。片言の日本語で話しかけられたので、「日本から来て、今自転車で台湾を一周してるんですよー」と言うと、「まぁすごい、若いっていいわねぇ。とにかく、応援してるわ。私達は日本が大好きなのよ!」と言われる。これまでにも何度か、日本が大好きよと言われてきたが、こう言われることは(自分が特に何かをしたわけではないのだが)やはりうれしい。台湾も東日本大震災の時の寄付してくれてありがとうと伝え、このおじちゃん・おばちゃんと別れた。

 

 

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龍磐公園を通過する。この崩崖地形がどのようにして形成されたかについて書いている。海水による侵食・自然崩落によって、長い時間をかけて、現在の形状となったようだ。

 

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龍磐公園から見える、崩れた崖に太平洋の波が激しく打ちよせる景色は、まさに壮大という言葉がぴったりだと思った。

 

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「台灣の東側は西側とは全く景色が違う」と話には聞いていたが、これほどまでに、西側と180度変わるとは。ここには雑多な看板、電灯・送電線が一つもなく、空気は澄んでいて遠くまで見渡せる。景色に見とれながら坂を下っていると、さきほどのおじちゃん・おばちゃんを載せた車がゆっくりと自分の自転車を追い抜き、中の人達が手を降って「加油~(がんばれ~)」と声援をかけてくれた。

 

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原付き二人乗りでやってきた若いカップルの写真をパチリ。なぜか彼氏はカメラ目線。笑

 

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車通りがほとんどなかったので、カメラを地面に置き、自分を撮ってみた。なんかイマイチな出来となった。

 

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2時間ほど自転車を進めると、ようやく小さな町に到着。満州という紛らわしい名前の町。最南端からここに来るまでには全くお店やコンビニがなく、腹ペコだったので、この大吉小吃店で腹ごしらえすることにした。地元の人たちや、トラックの運ちゃんらしき人たちで店内は賑わっていた。

 

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陽春麺(左)と海鮮燴飯(右)を注文。左はあっさりめの野菜ラーメンで右は海鮮あんかけチャーハン。2品合わせて130ニュー台湾ドル(≒400円)。

 

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腹ごしらえをすませて出発。見よ、この本当に何もない道を。視界には道と自然以外に何も見えない。

 

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海沿いの国道26号線から、199甲という名前の山道に名前が変わったところで偶然温泉を発見。旭海温泉という名前が書いてあった。入場料は大人50台湾ドル(≒170円)と書いているが、入り口や施設内には誰もスタッフらしき人の姿がない。今日は休業日かなと思いながらも、入り口の門が開いていたのでそーーっと入場。

 

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男女別の浴槽を発見。中を確認すると、普通に2、3人が湯船に浸かっていた。自分も自転車を漕ぎ続けて汗びっしょりだったので、ラッキーと思い、お風呂に入った。

 

入浴後、外でコーヒー牛乳が飲みたいなぁと思いながら涼んでいると、一人の現地人に話しかけられた。名前は王さん、台北で経済を勉強している大学生だが、現在は台湾軍に徴兵していて、派遣されてこの辺りに住んでるらしい。今日は休みだから、自転車をこいで風呂に入りに来たとのこと。先ほどまで浸かっていた、旭海温泉の入場料について尋ねると、この日は無料で開放されていることを教えてくれた。

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王さん。行き先が同じだからと、海抜約0mの旭海温泉から山の中腹300m付近まで一緒に自転車でついてきてくれた。

 

王さんと別れ、さらに坂を登る。この山の最高地点(480m)を目指す。

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牡丹郷の地図。

 

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350mほど登ったところで東源村の看板を発見した。このあたりには、オランダとか清に支配される前から台灣に住んでいた原住民の地域らしく、看板もそのような趣があった。

 

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480mの山を登りきり、ついに「台東へようこそ」と書かれた看板が見えた。ここから先は、ひたすらくねくね曲がった下り坂を降りるのみだ。

 

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曲がりくねった坂道をすべて下り終え、この日はじめてセブンイレブン(安朔門市)を発見。この日は予想以上に進行に時間がかかり、このセブンイレブンに付いた頃には日が沈みかけてきていた。が、地図を調べてみると、台東まであと残り60kmもあることを知り、愕然としたのを覚えている。

 

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こんな感じの海沿いの道をひたすら北進。小さい山々を超えながら、どんどん進むも、街が見えない。道路には車やトラックが走っているだけで、未だに建物が一切なく、人の気配がない。

 

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身体の疲れもピークで、足がうまく回らない。とは言っても今日中に台東まで行かなければならないので、死ぬ気で40kmほど走り、再びセブンイレブンで休憩。コンビニに貼ってあった地図で、ようやく台東まですぐ近くのところにいることを確認した。が、このあたりでついにスマホの充電が切れた。紙の地図を広げ、台東を目指す。

 

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夜9時頃、ようやく台東のホステルに到着。人生で最も長く自転車をこいだ一日が終わった。総走行距離は自転車のサイクルコンピューターで165kmだった。最後は肉体的・精神的にバテバテになりながらも、事故もなく無事に台東に到着したことを喜びたい。

 

ちゅーす

(この記事は2014年の台湾自転車一周のことを思い出しながら書いています。)
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