夏休みの自由研究―うちの空気洗浄・排気ガスPM2.5対策

   

動機のようなもの

最近引っ越しをした家は大きい道路に面しているため車通りが多く、とにかく外気が汚い(ような気がしています)。とくに自動車の排気ガスが気になったので、あまり室内に入ってこないようにして、部屋の空気をキレイに保とうと思ったのです。

 

PM2.5は、空気中にふわふわと漂っている小さい色々な物質で、車の排気ガスの他に自然由来のもの(花粉、黄砂)も含まれます。

微小粒子状物質(PM2.5)とは、粒径2.5μm(2.5mmの千分の1)以下の粒子状物質です。マイクロ(μ)は100万分の1の単位。2.5マイクロメートル(μm)は髪の毛の太さの1/30程度、花粉より小さい大きさとなります。またPM2.5は、単一の化学物質ではなく、炭素、硝酸塩、硫酸塩、金属を主な成分とする様々ない物質の混合物となっています。

佐賀県ホームページ

 

からだへの影響として、悪い影響はあっても良い影響はなさそうです。

PM2.5は髪の毛の30分の1くらいの微小粒子のため、肺の奥深くまで入ってしまいます。そのため、喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患に影響を及ぼしたり、肺がんのリスクを高めたり、不整脈など循環器系への影響も懸念されています。

日本医師会「健康の森」

 

排気ガス粒子の大きさを調べてみました。

出典:自動車排出ナノ粒子をモニタリングする | 関西大学ニューズレター

 

「数」で見れば、とても小さいナノ粒子(<0.1 マイクロメーター)が飛散粒子の大半を占めるようですが、「量」で見るとたいしたものではなさそうです。一方、最も飛散物の「量」で割合が高いのが0.1~1 マイクロメーターの大きさの粒子です。今回はこのサイズの物質を除去します。

*1マイクロメーター(μm)は1000分の1ミリメーター

 

どうやったか

市販の3Mの吸気口フィルター(ハイグレード)を使いました。0.3 μmよりも大きい粒子(花粉とかカビの胞子など)を除去してくれるらしいです。

 

部屋と外気をつなぐ吸気口に取り付けて、一週間おきに写真をとるだけです。最長2ヶ月後まで定期的に観察しました。

取り付けたときの様子。吸気口(外気側)に透明のテープで貼り付けました。まだこのときは真っ白です。

 

 

 

8週間後にはフィルターが真っ黒!徐々にフィルターが汚れてきているのがわかります。

普段吸っている空気って、こんなに汚れているんですね・・・・

テープを貼っているところでは空気の出入りがないので、フィルターは最初の白色のままです。

 

無料画像解析ソフトImage Jで分析してみました。

8bitの白黒画像を白黒反転させて、縦方向に線スキャンして白黒反転後のGray Value(輝度)を読み取りました。輝度は256段階です。フィルターに汚れがついて黒くなると、高い値を示します。

 

すべての写真で画像解析して、同じ位置で線スキャンしました。横軸は距離(ピクセル)、縦軸は反転した画像の輝度です。
ガタガタしたグラフですが、中心部でだんだん縦軸の値が増えている(=フィルターが汚れていっている)のが定量的にわかります。

 

フィルター中心部分の平均値を読み取って、プロットしました。フィッティングはシグモイド関数です。
設置してから4週間くらいで汚れをとりきっていて、これ以降は微粒子を吸着してくれないみたいです。フィルターの説明書には「1.5~2か月が使用期限の目安」くらいと書かれていますが、実際には1ヶ月くらいで交換するとよさそうです。

フィルターの黒さがあまりにも衝撃的だったので、さらに洗浄効果を高めるために部屋の中の吸気口にもフィルターを設置しました。あと、部屋の中で空気洗浄機も稼働させています。

吸着物質の分析をしたい気持ちを抑えつつ、このへんで終わりにしておきます。

 

まとめ

  • 車の排気ガスは吸気口のフィルターでしっかり除去できました。
  • フィルターの交換目安は1ヶ月です。
  • さらに空気洗浄効果を高めるために部屋の中の吸気口にもフィルターを設置

たまには自由研究も楽しいですね!

ちゅーす

 - Life, 京都