国内/海外のポスドクのお給料を比較してみた

   

ポスドク(博士研究員)とは、博士号(ドクター)を取得した人が、研究者として2年や3年の期限付きで大学や研究機関に雇われる職のことである。

実際、研究職を給料で選ぶ人はほとんどいないだろう。民間研究職、エンジニア、クオンツ、コンサルタントなど、もっと高給の職は他にもある。

 

ただし、研究職を選んだ人にとっても生きるためにはお金が必要なわけで、誰しも給料は気になるところなのではないだろうか?試しにGoogleでマサチューセッツ工科大(MIT)のポスドクと英語で検索してみる。

 

salaly

 

「MIT Postdoc」で検索した結果、1番目と4番目に「salary = 給与」が表示された。なんだかんだ、世界中の人の関心は給与にあるのだろう(当然、自分も気になっている人の一人なのだが)。

ということで、気になる国内と海外のポスドク給料事情を調べて比較してみた。

 

 

 

【国内】

日本学術振興会
・特別研究員PD 36万/月(=438万/年)
・特別研究員SPD 44.6万/月(=550万/年)

 

給与は国内でも高いレベルだが、学術振興会特別研究員は雇用形態をとっていないため無職扱いになる。
この他にも、以下の様なネガティブな側面もあるらしい。

まず,日本学術振興会特別研究員の場合,次のような社会的不利益がある.

  • 雇用形態をとっていないため,社会保険が無い.つまり,自分で国民年金国民健康保険に入らなくてはならない(これが精神的に一番痛い).住宅補助や通勤手当などの福利厚生が無い.(そのくせ所得税だけはきっかり取られる.)
  • 通勤手当がもらえない.定期代は自腹である.

 

 

理化学研究所
・48.7万/月(=580万/年)

基礎科学特別研究員

(小保方さんの件で話題の理研こと、理化学研究所。ただし、このポストは競争率がかなり高いらしい)

 

 

宇宙航空研究開発機構 JAXA
・40.4万/月(=484万/年)

 

 

産業総合研究所

35.4万/月(=430万/年)

(時給2200円×7時間45分/日×21日として計算)

産総研イノベーションスクール

 

 

日本原子力研究開発機構
42万/月(=504万/円)

 

 

 

おまけ

複数の機関でポスドクを務めた方が給与記録を公開しています。

天文学者(PD)の給与記録

 

 

海外

postdoc

アメリカ

マサチューセッツ工科大学 MIT = 39264ドル/年 = 400万/年

(ただし、ポスドク一年目の給料)

ハーバード大学 =42k$/年 = 420万/年
(ただし、こちらもポスドク一年目の給料:参考

 

ドイツ

ミュンヘン工科大 33912€ = 480万円
ドイツでは税金が高く、手取りは額面から48%くらい引かれた金額になるらしい。

参考: 研究職(ポスドクの場合)の給料@ドイツ

スイス

チューリッヒ工科大ETH =59,000フラン/年 (gross salary)= 612万/年

(給料は最も高いが、スイスは物価もこの中でダントツに高く、税金もべらぼーに高いとのこと。)

Average starting salary for a postdoc at ETH

スイスでポスドクとして働く人の記事によると、( スイスの生活費)、年収は1000万円を超えるらしいが、生活費が高く、税金を400万弱支払う必要があるらしい。

 

イギリス

・Imperial college of London
£32,699 to £39,523 =500-660万/年
(注:イギリスも物価が高い)

Research Associate in Statistics 

 

シンガポール

・シンガポール国立大学 4500-5000USD=460万/年

掲示板より

 

 

 

まとめ

各国のポスドクの給料をざっくりまとめてみると、平均400-500万円、高くて600万という額だった。

しっかりと調べているわけではないが、給料はその国の物価や税金に比例していそうなので、結局、どこの国で働いてもほとんど違いがないような気がしてきた。

・・・ま、「給料なんか気にせず研究に励め」ということなのでしょう。

では

 - Life, Research