1ヶ月の長期休暇は当たり前?ドイツの労働時間とホリデーのお話

   

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こんにちは。最近は少しずつ暖かくなってきて、春の訪れを感じます。

日本に帰国していた間、ドイツでの働き方についてたくさん聞かれたので、今回は労働環境や休暇についてのお話を少しだけ。

 

ドイツの労働時間

下のグラフは世界各国の、一人あたりの年間平均労働時間を示している。

労働時間

Average annual hours actually worked per worker - OECD.Stat

OECDのサイトではウェブ上でグラフを作ってそのままExcelファイルで落とせるので、ちょっとした調べ物にとても便利。)

 

グラフを見ると、「ギリシャ・イタリアは働く時間長いけどまじめに働いてるの?」とか「韓国はブラックなの?」などツッコミ所満載ですが、ここで注目して欲しいのはドイツ。

日本の労働時間が1年で1745時間(サービス残業がカウントされているかは不明)に対して、ドイツは1393時間。換言すれば、ドイツ人は日本人より働く時間が2割も少ない。こんな労働時間でも、ドイツはGDPで日本に次ぐ世界第4位なので、いかにドイツ人が効率良く働いているのかがわかるかと思う。

今の職場では、朝は8時前後にぞろぞろと出社し、夕方5時前後には「チュース、シェーネスアーベント (さようなら、よい夜を!)」と言って過半数が帰宅する。夕方6時になると、オフィスに残っている人は殆どおらず、がらーんとしている。

また、朝6時に出社して働き、昼2時に退社して、子供の迎えと家事をこなす。そんなのママさん技術者もいて、働く時間はかなりフレキシブルだ。

 

ドイツのホリデー

ドイツでの有給休暇は年間30日が一般的。自分も年間30日間、予定がない時であれば、好きなときに有給を取ることができる。

日本との最大の違いは有給消化率がほぼ100%なこと。実際、ドイツでは有給を100%消化しなければ、ボスが罰せられるらしく、「有給まだ残ってるでしょう?有給は忘れず全部消化してね。」と有給をとることを忘れないようにリマインドされる。

有給の30日を連続して使えば、なんと、最長で6週間の連続した休暇がとれる。これを分散すると、9連休(土日月火水木金土日)が一年間に6回も(!)とれる。

こんな感じのホワイト企業もびっくりな環境なので、夏のホリデーの季節にはメールを送っても、「1ヶ月後まで休暇です。返信できません。」と自動返信が来ることもしばしば。

 

Experiaの調査によると、日本は年間の有給が平均18日間で、消化率が39%しかないらしい。労働者の権利はどこへ・・

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反面、日本で羨ましいと思うのはその祝日の多さ。あまり知られていないが、日本の祝日の数は世界で3位。2015年、日本では14日の祝日があるのに対し、ドイツでは8日しか祝日がない。ドイツには祝日が日曜になったとしても振替休日とはならないので、年によってはもっと少なくなるらしい。

 

 

日本の労働時間は一昔と比べて徐々に短くなってきているものの、まだ他の先進国よりも労働時間が長く、「若い時の苦労は買ってでも」的な精神論が今でも残っている。もちろん、自発的に仕事に打ち込むことは是であるが、強いる性格のものではない。日本でも仕事の効率化の議論がもっと活発に行われて、長時間労働が改善すればいいなあと思うばかりです。

 

タイトル画像: Long hours, flexible working and productivity

 - Research, ドイツ