職場に難民キャンプがやってきた

   

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職場の入り口にある旧食堂。今は使われていない古い食堂の建物は、フェンスで囲まれ、現在は難民の一時生活の場として使われている。大学によると、衣類を干しているフェンスの中では約500人の難民たちが生活しているらしい。

うちの大学では、知るかぎりでも去年から難民を受け入れており、その数を合計すると千人以上になるという。今年の9月、ミュンヘンに移民が押し寄せたニュースが流れていた頃、ドイツが受け入れる難民の数が急増したため、うちの職場の旧食堂が急遽使われることになったらしい。

 

先日、全体のメーリングリストにて、

「突然ですが今日の午後、500人の難民が旧食堂に来ます」

と急なお知らせが来たかと思えば、午後には本当に難民がやってきて、とても驚いた。

 

難民は収容施設から自由に出入りできるようで、周りの森を散歩したり、近くのスーパーに買物に行ったりしている。ニュースで見るようなシリアっぽい外見の人が過半数で、アフリカ系っぽい人がいたり、少数だがアジア系っぽい見た目の人もいる。

難民はボロボロの衣類を着ているのかと勝手に思っていたが、目にする難民は至って普通の服装をしている(ドイツ人研究者の普段の服装がカジュアルすぎるので見た目はほとんど変わらない・・)。彼らは戦火を逃れて難民となった人たちで、祖国では住居があって仕事もしていた「普通」の人たちだったことを思わせる。

実際、彼らが住んでいるキャンパスの周りはど田舎で、周りには本当に何もない。20分程歩いた所に1件のスーパーがあるだけで、住居がないので、学校もなければ公園もない。多くの難民が入国を目指して来たドイツ。晴れて受け入れを許可されたところで、連れてこられたのがこんな辺鄙な森の中とは。ほっとしつつも、心の中では少しガッカリしているのだろうか。

 

 - Life, ドイツ